祝!! アニメ 響けユーフォニアム「久美子3年生編」TVシリーズ放送決定! 少し原作のこと

3年前のアニメ劇場版『響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』を見に行った際に3年生編の制作予告があり楽しみにしていたところ、京アニ放火の信じがたい事件が起こりやりどころのない怒りというか悔しさを味わわされ。京アニとしては一刻の時間をおいて劇場アニメを中心に始動し始めたようだが、ユーフォの続報はなかった。それでもいつか再始動するまで何年でも待ちますよ、という気持ちでいたところ、ついに続編の予告が発表された(もう随分前の話になりますが)。公式の満を持してのツイートを見て号泣するしかなかった。本当に素晴らしいことです。よくぞここまで来てくださった。お疲れさまでございます!

 

anime-eupho.com

 

 

素晴らしいのは続編の内容。

・2024年「久美子3年制編 TVシリーズ

・2023年「アンサンブルコンテスト編」

とのこと。以前の続編制作決定の発表は3年生編だけの予告で、どのメディアかは不明で、昨今の流れでいくと劇場版として作成されるのではないかという点がすごく懸念だった。なぜなら2年生以降の話は劇場版の2時間程度ではまとめ切れないという原作の構造が完全に制約になっていて、京アニが得意なアレンジして短くまとめるというレベルの問題ではなくなっている。2年生編の誓いのフィナーレはまだギリギリ映画としてまとまったとは思う。低音パートの新入生という割と少人数の人間関係に絞り、久美子と奏との交流を中心に話を盛り上げられた。ほぼ平行して『リズと青い鳥』という傑作も上映されたので気持ち的に収まっていた面もあるかも知れない。それでもドタバタしていた感はあって少し肩透かし感を持ってしまった。

対して3年生編では久美子が部長になり部レベルの話になる。部全体に発生する出来事、久美子自身に降りかかる問題の先にクライマックスでの感動がある。さすがに原作を詳細に表現はできないのでそこは京アニの腕の見せ所だが、少なくともTVシリーズ12話以上の丁寧な描写は必要だと考えられる。

・・・という懸念は今回の発表で払拭された。制作される方から見れば 上のような素人指摘のような事は当然身にしみているはずで、当初からTVシリーズを見据えていたかも知れないし、一旦仕切り直してより良い形(TVシリーズ)で進められる目途がついての発表なのだろう。2024年というと2年ほど先の話だが、何年も待ちますよと納得した身にとってはそんな先ではない。2023年に番外編を出してくれるし、最近のアニメ事情はすばらしく、毎期何かしらもの凄く面白い作品が発表されるので、それらを楽しんでいる間にすぐ2024年になるだろう(歳はどんどどんとっていくけれど笑)。

 

ついでに原作の話。

アニメ派で原作には興味がないというコメントを時々見かけるような気がする。凄くもったいない。原作はアニメと比べると初期は淡々としている面があったと思う。アニメでは表現されない吹奏楽の蘊蓄とかを知れるようなそういう位置づけで読んでいた。それに対してアニメでは画の構成や声優さんの演技も含めての心情表現が豊かなところに魅力があり引き込まれる。例えば再オーディションのシーンは、出来事自体もショッキングだけど、優子センパイが泣き叫ぶところで文字通りの優しくて気立ての良い子だと理解でき、気持ちが持っていかれるという好きなシーンなのだけど、原作だと割と淡々としている、というようなギャップはあった。

しかし、想像するに、原作もアニメから影響を受けていると思う。後半になるとそういう淡々とした見え方が少なくなり、アニメとのギャップも縮まってくるように感じる。淡々としていることが悪いという訳ではないが、お互いに影響しあって一体感が出ているという良い状態になったと感じる。だからアニメ派にも違和感なく入れる2年生とか3年生編から読むのもアリだろう。気に入ったら他の巻も読んでみると面白いと思う。番外編はサブキャラ達への深堀りがあったりで面白いし、立華高校マーチングバンドへようこそ などはぜひTVシリーズでやって欲しいくらいの良作だと思う。

 

部長になって久美子の世界が広がる。いつものように、いやこれまで以上の問題が発生する。どうなる北宇治。どうなる久美子。最終的な北宇治高校の結末が本のページをめくった所で発表される。思わず嗚咽と涙で読み進められない状態になった。これほどの感動をもたらすまでの久美子の工程はとても映画の尺では表現不可能。TV版だとしてもこの傑作な原作をうまく料理できるだろうか。京アニの本気を信じてます。すごく楽しみです。