リコリス・リコイル 13話

最終13話。前半は真島さんとの最終決戦でアクションシーンは良かった。千束の心臓発作で一時休戦となり、お互いの行動原理を確認しあう。平和の保たれた世の中で自分の周りの人々を幸せにできれば良いではないかという千束、DAによる真実の隠蔽によって保たれる歪な平和は壊れるべきという真島。似た者同士でのリラックスした時間の中、お互いの正義に基づいた行動だと分かりあう。千束からすれば真島がただの悪党だったらなら気も楽だったが溜息ものだろう。お互いに説得の気配も込めるがもちろん相容れる事はなく、残るは憎しみも失せた実力勝負のみ。「塔から落ちなかった方が正しい」スパッとした千束らしいセリフで試合再開。

ふと考えてしまうが、自分ならどっちに肩入れするだろうか。千束の方がしっくり来る。現実での凶悪犯罪の結末を見ていると、こいつらがリコリスやドミネーターで吹っ飛ばされていれば、と正直思わなくもない。DAの存在はアリだと思う。臭いものには蓋をした方が良いのではないか。そのうえで自分の周りの事をやるだけで精一杯だ。

 

再開された最終決戦はOPをBGMに手に汗握る展開で失笑する隙もなった。実力伯仲で最後落ちる二人、たきながギリギリで束縛銃で千束を救い上げた(Wao!!)。真島さんは落ちる。ここに魁!!男塾の王大人がいたなら「死亡確認、勝者錦木千束」と言っただろう。

 

ミカと吉松の幕引き。大人は陰で泣き次世代に未来を託す。結局細かく描かれることがなかったが、アラン機関が謎だった事もあってか 吉松の一連の行動の意図がピンとこなかった。千束を愛している事は前提なのだろう。処刑人になる事が千束の1番の幸せだと心から信じていたという事か?千束の才能は他でも活かせるだろう。そういう方面に進ませることは考えなかったのか、当初の路線は覆せない機関の制限?はたまたシナリオ的に無視された選択肢?

ミカは何で吉松を殺したのか。心臓は吉松の中でそれを取り出すためという事になるだろうか。もともと吉松に自殺願望がある訳ではないだろうし、千束は健気にも吉松の思惑には乗らず去っていった。ケースの中に心臓があるのなら吉松を殺す必要性が分からない。ミカが吉松を打つシーンは直接描かれなかった。それはミカの悲しみの表現であったと思うが、実はミカは打てず「千束を解放し違う自分を生きろ、今日がお前の新しい誕生日だ」ような感じで表舞台から退場させた可能性はあるかも知れない。主要な登場人物が死ななかったのだから、吉松も死ななかったでも良いような気がする。ん、死ななかった説がそれっぽい気もしてきた。

 

リコリコの批評を見ていると、説明不足な点で評価を下げているレビューは多いようだ。しかし世の中分からないことだらけだ。分かってるのはクルミちゃんくらいだろう。説明不足な事で矛盾が生じてるでもなく、多少分からない事はあってもいいんじゃないかと個人的には思っている。例えば上で書いた ミカと吉松については2部に持ち越すような事ではなく、劇場版でやってくれたらいいなという気持ちはある。TV版でベースが出来たのであり劇場版なら多少シリアスに振ってもいいと思う。もっと言うと、2クールでリブートしてくれないかなぁ、と妄想はある。

 

真島さん。塔から落ちても死なない不死身さ。全く驚かないですよ。とっくに男塾並みのしぶとさだと分かってましたから。死ぬ直前に中国4000年の医学に助けられましたかね。二部はあってもなくても良い感じですが、どうなりますかね、市中に広まった拳銃を絶対悪のような悪が拾い集め、千束+たきな+真島の凸凹トリオが立ち向かうって感じかも知れないな。

 

リコリコの面々。千束は死なないと頭が勝手に信じていたので、あとはどういうハッピーエンドになるか、という事だけだった。千束とたきなの再会とリコリコ@ワイハ。堪能させてもらって、終了というところでした。

 

やっぱり、リコリコのメンツを前面にしたキャラ重視路線が良かったのかな。出演者がリコリコラジオでも話していたように、キャストさん達のアドリブが結構あったと。アニメの場合はアフレコのアドリブに合わせて画にフィードバックしなくはならず凄く手間がかかるところ、制作陣は惜しみなく対応してくれた、というエピソードが印象的だった。そういう細かい仕事が生っぽさを生み出し、キャラ重視路線と噛み合い魅力を引き出しただろう。アドリブに作画が付いて行ってないように見えた部分もあったように見えたが、勢いが余っていてかえって面白かったと感じた。シナリオや演出面の良さはもちろんあるだろうけど、今回はキャラの勝利だったと思う。

 

超久しぶりにアニオタの魂を呼び起こされたアニメだった。面白かった。今後の展開にも期待。