ついにChatGPTを使ってみた

ChatGPTの話題がとても活発になって、多くの人が業務効率化のような話をしている。これを使って効率化しない奴は情弱のバカだと、直接は言わないにしても、ほとんど言ってるに等しいような世の中の論調になっているように見える。

2010年初頭に画像認識分野でAIが着目され始めて、それから数年後、猫も杓子もAI (Deep Learning)だと騒ぎだした頃に、業務でAIに少し関わった。ラズパイくらいのマイコンでいかに軽量に画認をするか、とか、そもそも大規模分野では太刀打ちできないので、自社のしょぼいプロセッサでエッジで軽い信号処理をするというような。OPENCV3が出たての頃で、tensoflowで簡単な学習モデルを書く程度の素人のお遊びレベルだったが。学生の時分、第二次AIブームが終わった頃には多層パーセプトロンのパラメータを手計算していたような気がするが、それの延長のような意識でDLの基礎をちょっとかじったものの、AI(ニューラルネットワーク)はあっという間に発展して、すぐに何をどうやったらそんな事ができるのか分からないような状態になった。転職して業務で触れる事もなくなり、興味はあるだけの状態になった。

ちょっと前に画像生成AIを少しいじった。思うような絵を出す事はできずすぐにやめた。今はアニメを綺麗に生成するような事に励んでいる人の成果を見ると、実用性はともかくその熱量には驚く。解説記事はもちろん理解できないので、何となく雰囲気だけを感じ取りながら、その成果を眺める。2つのシーンの間を埋めるコマを生成した動画は素人目にはぎこちないが、やってる事を考えると素晴らしい結果だと感じる。近いうちに実用化して一般的なツールに搭載されたりするのだろうと期待してしまう。

今は、表面上は、世の中、言語生成AIの話が中心になっているようだ。プロンプトというものを入力すると、明らかに自分よりは語彙が多く賢そうな文章が一瞬で出力される。どれほどの膨大な学習データが突っ込まれたのか考えると目まいがしそうだし、それにもまして、何らかの文章を理性的で筋の通った文章に変換する複雑なフィルターを、膨大なデータをもとに生成するアルゴリズムを生み出した研究者の頭脳には驚くばかりだ。そして、その中でも代表的なChatGPTがwebで誰でも利用できるという状態になってしばらく経つが、自分は実際に手を出した事はなかった。かつての画像生成のように、そう簡単には思うような結果を得られなさそうな雰囲気もあるし、やろうと思えばいつでもやれるだろうという謎の思い込みもあったのだけど、世間で言う所の効率化とはどのようなものか具体的に気になりだしたので、今更ながらChatGPTに登録して、3.5だが、ちょっと触ってみた。ついでに、BingがGPT4ベースでチャットできるようなので、そちらも使ってみた。

実際に何かやろうとすると、何をすれば良いのか、何ができるのか、良く分からない。世間的には、長い文章の要約や(他ツールと連携するならテキストのみならず音声からも)、学生が論文を書くような話もあるようだが、、論文??。データのフォーマットを整えたり、プログラムを生成するという話もある。そんなことどこまでできるのだろう。素人見込みでは、要約や翻訳のように明らからに短TAT化できそうなものもあれば、かえって手直しに時間が掛かる事もありそうな気がする。

ということで、いくつか試す案を考えた
 ①80年代レトロなアドベンチャーゲームの攻略を手伝ってもらう
 ②ブログでゲーム記事を書く際の叩き台を作成する手伝いをしてもらう
 ③Verilog言語の簡単なモジュールの設計とテストベンチ、仕様書を生成して頂く

①と②は、ちょっと使えないという感想。向いた使い方ではなさそうに思うが、そもそも話題が悪い可能性が大。使い方もうまくないだろうが。

③は、思った以上にまともな事ができて少し驚いた。まあ「思った」のハードル自体が低かったのはある。Verilog-HDL(ハードウェア:論理回路をソフト的に記述する言語の一種)などというものでこうであれば、もっと一般的なソフトウェア言語であれば随分まともな結果が得られるのだろう。ちょっと生成してそのままブラウザで動いた、みたいな話も誇張ではないのかも知れない。ただ、業務で使えるかというと、セキュリティ上業務データをwebに投入できないという点が一番のネックだろう。日本の大きな設計会社ならそうだろう。webに業務データ入力するような行為はセキュリティルールで禁止されている事はよくある話と思う。海外ではこの点どんな意識なのだろうか。ChatGPTに簡単なプロンプトを入力すると、モジュール記述がぱっと出力される。これは何を学習した結果なのだろうかと考えると、良く聞く「日本は設計検証の生産性が低い」というディスりに繋がる要因のひとつではあるだろうと邪推できる。とはいっても、差しさわりのない一般論に落とし込んでの生成物をうまく使いまわすなど工夫の余地はあるかも。自分が今所属する組織ではそれもできないが。昨今AIを活用して業務効率化の話は意識されつつあるだろうが、それが実現するためには、それなりのベンダーからツールとしてリリースされるのを待つ必要があるのだとすると、そんなものがいつリリースされるのだろう、という気はする。

つづく。